アスファルトシングル完全攻略ガイド！？《改》

更新日：2017年06月19日　　投稿者：郷征巨(まさなお)

毎度様です！カネマツ営業の郷です。

6月の爽やかな北海道の初夏と思いきや、週一で雨が降り天気が愚図つくとかち帯広です！

さて今回は、最近お問い合わせがハンパない『アスファルトシングル材』を再度ご紹介します！

ここ数か月、何故か東海・中部地方のお客様からお問い合わせやご注文をいただき嬉しい悲鳴です！(笑)

カネマツスタッフｂｌｏｇ創成期の約３年前に書いた『アスファルトシングル完全攻略ガイド！？』の内容が商品の仕様変更や施工に関して変更がありましたので更新したいと思います！

ブログが余りにも長いので施工方法だけをお知りになりたい方は、リニューアルでカラーになりとても見やすくなった『施工マニュアル』をご覧ください！

アスファルトシングルとは？

アスファルトシングルってなぁ～に？

アスファルトシングルとは、北米で生まれ百年以上の長い歴史を持ち米国では約７～８割普及している一般的な屋根材です。
特徴としては『洗練された意匠性と優れた機能性（防水・消音・耐候）かつ軽量で加工しやすい』と、言ったところでしょうか！

あと、日本での防火試験（屋根飛び火認定試験）に合格し、建築基準法の改正による製品の性能評価でも認定されている商品です。

アスファルトシングルと言っても、様々なメーカーの商品が流通していますが当社で取扱い・販売しているのは『オーウェンス・コーニング社』のアスファルトシングル材でバリエーションも豊富な　『オークリッジスーパー』（７色）と『パルテ』（３色）の２種類（計１０色）あり従来の無機質的な鋼板屋根と違い、お洒落でなんか温か味がある感じがする商品です！

アスファルトシングル材の設計・施工について！《目次》

前回まで以下の内容で書いてきましたので、目次にしてみました。

①　設計・施工条件

②　副資材等の材料

③　施工方法１《下地・主材》

④　施工方法２《棟材・棟換気》

⑤　完成事例

それでは、順番に紹介していきましょう！

①　設計・施工条件について

屋根の形で決まります！

まず始めに施工するにあたり、屋根の形状と勾配によって「張れる屋根」と「張れない屋根」があります。

◎ 張れる屋根：形状　切妻(きりづま：三角屋根のことです）寄棟 (よせむね)
片流れ(かたながれ)
※その他、勾配屋根で３寸５分(角度でいうと約１９°)以上

× 張るのに適していない屋根：形状　無落雪（フラット）
※上記勾配屋根で３寸５分(角度でいうと約１９°)以下の場合となります。

建築業に携わる人であれば、形状が” 切妻 ” 寄棟” 片流れ ”屋根勾配が３寸５分と言われればイメージできると思いますが建築業以外の人であれば何？ってなりますよね？

それで、”勾配”って何かというと、”３寸５分勾配”とは『水平方向に１ｍ行ったときに垂直方向に０．３５ｍ上がる』角度です。
もしスケール等の測定器具をお持ちでしたら実際に測ってみるとよりイメージが湧くと思います。

そして、何故？３寸５分以上の勾配でなければいけないかというと、アスファルトシングルはグラスファイバーマットが、基材のものに耐候性アスファルトなどの層でできた多層構造で、表面に粒状着色石が吹付け接着されている屋根材なので、雨水が溜まらないようにするために勾配を十分に保つ必要があるからなのです。

※ただし屋根の下葺きルーフィングを『粘着層付改質アスファルトルーフィング』で屋根全面に張れば下限が２寸５分まで施工できます！

次に屋根の形状についてですが、あまり絵心の無い割には上手く描けた!?と自画自賛（笑）の図で説明します。

ってな感じで、ちなみに色は切妻の方から、テラコッタブレンド、シャトーグリーン、ハーバーブルー風!?に塗ってみました！

これで、少し『アスファルトシングル材』に興味を持ってもらえましたか？持ってもらえたら嬉しいです！

②　副資材等の材料について

副資材ってなぁ～に？

まぁー読んで字のごとくなのですが、主材（アスファルトシングル材）を張る時に使用する釘や接着剤等のことでこの副資材が無いと屋根に張ることも出来ず、とても重要な役割を果たす資材のことです。

まずは、副資材の集合写真を撮ってみましたので、どうぞこちらです！

１．シングルネイル ：シングル材を留めるための専用のバラ釘です。鉄製のため腐食しないようにユニクロメッキ加工が施されています。使用数量はシングル材１枚に対して６本（推奨）打付けます。※ロール釘もありますが専用の釘打機が必要です。

２．シングルセメント ：シングル材を留めるための専用の接着剤です。１本当たり約６㎡の使用が可能です。ちなみにセメントって名前が付いていますがコンクリートではありません。（笑）

３．スターターロール ：シングル材を張り始める前に軒先に張る専用の資材です。
※必ず使用するものではありません。※使用しない場合は、本体を半分に切断し捨張りをします。

４．雪止め金物 ：名前の通り雪を止める金物でシングル材専用です。シングル材の色に合わせた７色あります。※各地方自治体の建築基準に法って設置してください。

５．棟換気材 ：屋根の棟（屋根のてっぺん）に取付け、屋根裏の換気をするための資材です。※メーカによって数種類の商品があります。

６．棟材：基本ヒップ＆リッジですが、色によってクラシックになります。屋根の棟部分に張る資材で素材自体はシングル材と同じものです。一枚のシングル材を３～４枚分割（切れ目が入っています。）して使用します。

簡単ではありますがこんなところでしょうか！
屋根面積から割り出す”数量の算出方法”が知りたい方や商品の価格や入り数を知りたい方は当社ＨＰに掲載していますのでご覧ください！（直接ページに飛びます↑）

③　施工方法について１　《下地・主材》

張る前の下準備

アスファルトシングルやトタン屋根でも共通の事ですが、まずは防水紙（改質アスファルトルーフィング）を野地板（屋根合板の事）に張っていきます。
張る際は、たるまない様に延ばしながら張り、ステープル（大きなホッチキスの針）で留めていきます。あと壁と接する場所は壁側に立上げるようにも張ります。
（下に写真をUPしておきます。左側の写真です。）

次に軒先や端部に板金で水切役物を取付けます。実際に現場で写真を撮ってきたのでこんな感じです。

ここまでの下準備が出来たら、いよいよアスファルトシングル材の施工になります。
まず材料を屋根まで上げなければならないのですが、新築住宅の場合アスファルトシングル材の使用数量が多いので人力ではとても大変なのでこのように荷揚げをします。

株式会社　ホーム創建様施工事例

今回の写真撮影に御協力いただきましたのは、当社の御客様である株式会社　ホーム創建様の新築工事現場で撮影させていただきました。
いつもありがとうございます！ｍ（ _　_ ）ｍ

それではアスファルトシングル材を張ってみよう！

１、まず始めに軒先にスターターロールまたは捨て張りを行います。今回はスターターロールを使わず捨て張りでの施工になります。捨て張りはアスファルトシングル材を、横方向に半分に切断して上部を使用します。その後、アスファルトシングル材を張っていきます。
まずは施工の流れを写真でご覧ください。（画像は”テラコッタブレンド色”です！）

捨て張り

アスファルトシングル施工

２、軒先から１段づつ横に張っていき（継目は重ねずに突き合せ）、１枚に対してシングルネイルを６本使用して留めます。２段目以降も同様ですが、下段と上段の継目が同じ位置にならないように注意してください。（雨漏りの原因になり得ます）
上段を被せる際は、下段の釘頭と継目にシングルセメントを塗布し（捨て張りの写真参照）白い線に合わせて張り合わせていきます。
※実際に薄く白い線は入っていますが、見えやすくするために写真は白い破線を入れて画像加工してあります！

④　施工方法について２《棟材（むねざい）･棟換気材》

棟材を張って仕上げましょう！

棟材には”ヒップ＆リッジ””クラシック”がありますが、今回は『クラシック』で説明したいと思います。

アスファルトシングル材を屋根に張り終わったら、仕上げの為に棟材を張っていきます。
ところで棟（むね）って何んですか？って声があるかもしれないので説明しておきますと、屋根の中で山型になっている部分の事です。

切妻（きりづま）屋根であれば屋根のてっぺんの１辺だけですが、寄棟（よせむね）屋根だとてっぺんの他にてっぺんから軒先に向かって伸びる４辺あるので全部で５辺あります。

それでは、写真を見ながら説明したいと思います。

１、このように３分割します。台形になるように斜めに加工しているのは張り合わせた時に下からはみ出さないようにする為の工夫です。

２、加工が終わったら軒先側から棟に向かって張っていきます。

施工手順は前回説明したアスファルトシングル材と同じになりますが、上の写真で釘の本数が８本なのは、お茶目な職人さんが『写真撮るならサービスしておくわぁ～！』といつもより２本多く打っているからなので、通常は６本でＯＫです！

３、全部張り終わるとこんな感じになります。（黒い部分は足場の影です）

棟換気材を取付けましょう！

続きまして、棟換気材の施工についてです。こちらも写真を見ながら説明したいと思います。

１、左上の写真のように、棟に屋根裏からの通気が出来るように隙間を造っておきその隙間を覆い隠すように棟換気材を取り付けます。

２、その後棟材を張って仕上げていきます。

３、端部の処理はそのままだと雨水が入り込むので、端部にシングルセメントをたっぷり塗って仕上げます。写真の右上や下のような感じになります。

棟材を縦方向に張る場合は下から上に向かって張って行けば良いのですが、横方向に張る場合は『風下から風上に向かって』張っていきます。

何故かっていうと、風上から張っていった場合重ねた端部が風上側に向くので風でめくれる恐れがあるからなのです！（むか～し現場に出てた頃、板金屋さんに教えてもらいました。）
ここ十勝・帯広では基本西風の多い地域なので、今回のように棟の方向が東西に設置してある場合は東から西に向かって張っていきます。お住まいの地域によって風向きは変わってきますので、計画的に張る向きを決めましょう！